咲き誇る花々の背景
欧州は、どこへ行っても町を一歩離れると、畑が広がり林や森が点在します。
そして、季節ごとに野の花々が路の路肩を彩り、畑にも花がみちゃ触れます。
そんな中、ふと車窓にお花で埋め尽くされた景色が広がっていたら、当然車を止めて、カメラを手に飛び出して撮影しないわけには行きませんよね。
5月は、一面菜の花。
英仏海峡沿いのノルマンディー地方は、南仏地中海沿いより花前線は1ヶ月遅くなりますが、5月の半ば『モン・サン・ミッシェル』の近くでたまたま「菜の花」の向こうに島が浮かび上がっていました。
(菜の花畑の向こうにそびえ立つ『西欧の驚異』)
6月はヒナゲシ。
フランス中央部を南北に二分して西に流れるフランス一の大河『ロワール』の沿道も、路肩に自生する可憐な赤いヒナゲシで路の両側が赤く染まります。
お隣のスペインは、さすがに「ピレネーを越えるとそこはアフリカ」とナポレオンが言い放ったとうり、太陽の光の量がフランスよりもはるかに強いので、同じヒナゲシでも少し濃いめの赤になってました。
マドリードの北に60キロほどで『セゴヴィア』という街があります。
ディズニーの白雪姫のお城のモデルになった、と言われるアルカサール(城)と、完璧な形で残る古代ローマの『水道橋』があることで有名です。
普通マドリから行くことが多いので、セゴヴィアの南から入っていきますが、スペインの北から南下してセゴヴィアの直前で、真っ赤なヒナゲシが咲き誇っていました。
早速写真に収めようと車を降りたら、背後にセゴヴィアのカテドラルが聳えていました。
(セギヴィアの北側の町外れから、満開のヒナゲシと大聖堂)
同じ6月、地中海岸の『プロヴァンス』地方では、「ラヴェンダー」が咲き始めます。
野生のラヴェンダーは、標高700メートルあたりに咲くのですが、平地では畑で栽培し、いずれも7月が最盛期。
『ゴルド』という典型的な、丘の頂きにへばりつく「鷹ノ巣」のような村のすぐ近くに『セナンク第修道院』という修道院があり、未だに修道僧たちが畑でラヴェンダーを栽培し、ポプリや石鹸などを作って財政の助けにしています。
6月では、まだちょっと早かったので、満開とはいかなかったのですが、すでに紫の穂先を広げていました。
(セナンク第修道院のラヴェンダーの畑)
7月から8月にかけてはヒマワリ。
フランスでも高速道路沿いに、延々と見渡す限りのヒマワリ畑が次々に現れます。
すでに7月には南仏で、中央部は8月、北フランスは9月になっても、という具合にヒマワリ前線も北上します。
先述のスペインは、8月はもう時期を過ぎてしまったか、と思ったのですが、ちゃんと咲いていました。
北西部『カタルーニャ』のジローナ(ヘローナ)の近くの小さな村に、サルヴァドール・ダリが暮らしたお城があります。
中は、ダリが生前に暮らしたそのままが見られて、あの鬼才のセンスを堪能できるのです。
そのお城のある『プウボル』村の教会の下にヒマワリ畑がありました。
ダリのお城は、教会の右側の木立の奥にその堂々たる姿を隠しています。
(ヒマワリ畑沿いにプウボル村の教会を見晴らす)
4月には、ロワール河流域の『古城地帯』のあちこちが「藤」の花で覆われた建物を見ることができます。
お花の時期に、ぜひヨーロッパを訪れましょう。