パリを少し歩けば…クラッシック・カーが、あちらにもこちらにも。
クラシック・カーといえば、一部の人たちにとっては憧れの的。
趣味の対象だったり。
投資の対象だったり。
しかし、決して博物館アイテムというわけではありません。
常日頃綿密に整備していて、何かの時には実際に表に出てくるのです、宝石のごとき高価な愛車に乗って。
モンテーニュ大通りの宝石屋さんの前に止まってたこの車。
馬の付いていない馬車という時代の風情ですが、現役なんですよね。
アルセーヌ・ルパンが、シャーロック・ホームズ を上手く撒いて、颯爽と降りてくるような風情です。
別のところでは、こんな車も。
(ブガッティ)
当時は、お城が一つ買えるくらいの金額だった『ブガッティー』
フィリップ・ド・ロッチルドや、ジャン・コクトーが初期のフォーミュラー1のレースに参加したのも、ブガッティでした。
このタイプなら、今でも競売に出たとしたら億ションより高価かもしれません。
世界中の自動車博物館が競ってオファーするでしょう。
でも、現役。
で、この手になると、すでに「クラシック」じゃない、と言われそう。
しかし、これまでの先輩たちより少し若いけれど、戦前の大スターなんです。
(デライエ)
戦後の名スポーツ・カーも。
(AC コブラ)
レプリカではなく「本物」の ACコブラ!
気候の良い季節になると、こんなモンスターを持ち出して外を走る酔人がいるんです。
万一壊れたら、部品代だけでえらい事で。。。
さらには。
70年代のレース界を席巻したポルシェ。
ガルイウングのドアを、運転手側だけ開けてるのがなんともにくい。
もちろん、信号停止で開けているだけで、走行中は閉めていましたので、ご安心を。
クラシック・カーといっても、なにも巨万の富を必要とするものばかりではありません。
当時は大衆車だったような40年前の車を、自分で分解して部品の一つ一つまで磨き上げて組み立て直し、大切に持ってる人たちはたくさんいます。
そして、乗り合いバスまで。
RATP(パリ交通公団)の50年前の路線バス。
公団は、こういうのを数十台保存していて、年に何回か実際に路線に走らせたり、特別ルートでお客を載せたりしています。
しかも、後部はデッキになってる。
このタイプは、後部デッキから乗客が乗り降りします。
最後におまけ。
これは、シャンゼリゼ通りのロータリーに出てるアイスクリーム屋さん。
建物でも、家具調度でも、機械や道具、さらには建造物など、どんな分野の物でも「古いもの」で未だに使えるものには、誰もが敬意を表します。
まっさらな、新しくて綺麗なもの、は金出せば誰でも買えるもんね。
昔の「本物」を、新品同様に保っていくことは、精神の美学の領域です。